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  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (3/26 2007)
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Le Vin Nature フランス自然派ワイン通信
Francois DUMAS (2007年3月26日)

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Le Vin Natureは自然派ワインやワイン業界の動向をニュースレターとして配信しています。
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Le Sous-prefet aux champs...
副知事が畑に…

ボジョレーのブドウ栽培者は、もはや何をすれば良いのか心配する必要は無い。彼らの副知事であるBernard Guerinは「ボジョレーの未来のための戦略的計画」と題した計画を彼らに示した。その意図(とても賞賛すべき)は、「歴史的に見て最も厳しいブドウ栽培の危機からの脱出」だ。実際に、2006年にはボジョレーの販売は総量で20%、売上で25%下落した。

副知事の提案の一つは、ワインの等級化(あたかも、既に2つの地域AOC Beaujolais、Beaujolais villagesと10のCruが存在していないかのようだ)。他の提案として最も賞賛すべきものは、生産者の側からの品質向上への義務だ。「ボジョレーは"m....e"(糞)」と書いたリヨンの新聞記事に対する裁判で敗訴したことが、この議論の出所となった。

そして最後に、もう一つの提案は、フランス平均5000ユーロに対して現在9000ユーロかかるボジョレーのヘクタール辺りの生産コストの削減だ。これは、機械による収穫を認めるためのAOCルールの見直しや、特にヘクタール辺りのブドウの木の削減を意味している。

もしあなたがこの2つの要素(生産コストの削減と品質の向上)を両立させることが不可能であると考えれば、あなたはフランスの行政の理論を理解できないだろう。もちろん、ブドウ栽培者の転職への補助とブドウの樹を引き抜く際の費用の援助はあるだろう(一定期間だが)。

フランス政府は、すでにシーズン労働者の雇用やラベルの文字の大きさ、広告の規制をしている。政府は利益に税金をかけ、税金と社会保障負担を天引きしている。それは既にかなりの金額だ。さらに、誠実なブドウ栽培者には危機から脱出するためにブドウの木々を引き抜く事を提案し、他のブドウ栽培者には、明らかに品質を落とす方法でよりたくさんのブドウを生産することを薦めている。これは非常に問題だ。国家の職員に求めることは、彼らは彼らに関係のある仕事だけをして、ワインはブドウ・ワイン生産者に作らせることだ。

私達にとっては、もはや品質に気を使っている生産者(それは存在する!)から作られた良いボジョレーワイン(それは存在する!)を飲みながら、この状況に思いをめぐらすことしか出来ない。

ボジョレーの素晴らしさを証明する例として、私は先週の日曜日に、六本木「祥瑞」の勝山氏、飯田橋「Meli-Melo」の宗像氏、広尾「Le Garcon de la Vigne」の飯野氏と共に元代々木の「Le Cabaret」で、4本のMarcel LapierreのCru Morgonを飲み、素晴らしい喜びを得ました。1990年は明るいローズオレンジ色で2次、3次アロマは単純に稀にみるものでした。1993年はまだ若々しく、現在素晴らしい状態です。そして2本の1999年(1本は「cuvee Marcel Lapierre」)は共にGrands Vinsでした。

Vive le Beaujolais Nature !
(D.F.)

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有機農業の現状

2005年は、6万3千の開拓者によって約3000万ヘクタールの土地が有機農法によって耕作された。この数字は、Ifoam (International federation of organic agriculture movements)が120の国々で行った最新のアンケートに基づくもので、Agence Bioが3月8日の農業展示会の国際セミナーの場で発表した。

3000万ヘクタール中の30%を占めるヨーロッパは、オセアニア(39%、オーストラリアが中心)に次いで2番目。

ヨーロッパは2004年末から2005年末にかけて7%上昇した。フランスはこのダイナミックな動きの真只中にいる。2005年から2006年の間、農地は5%、開発者は2%、そして関係業者では4%上昇した。

情報源: Terre-net

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Champagne : Candidature pour devenir patrimoine mondial de l'UNESCO.
シャンパーニュ:ユネスコ世界遺産の候補者に

シャンパーニュワイン委員会(Le Comite interprofessionnel du vin de Champagne)は、「シャンパーニュの景色」を正式にユネスコの世界遺産の候補に登録することを発表した。

ユネスコの世界遺産は地球の自然と文化遺産の保護と評価を与えることを目的としている。そのリストは現在138の国々830箇所に上っている。フランスでは、Mont Saint-Michelやchateau de Versaillesが登録され、またワイン生産地域では、Saint-Emilion地区やポルトガルのHaut Douro地域が登録されている。

候補書類は、専門家の協力を得て1年以上かけて用意されている途中で、今年末に関係諸機関に提出される。

目的は、貴重なシャンパーニュの景色に価値を与えることと保護することだ。白亜質土壌に掘られた素晴らしい特色ある酒蔵など幅広い多様性が、候補書類の有力点であるだろう。

情報源: vitisphere.com

この候補書類の弱点としては、ユネスコが化学肥料の過度の利用や、また80年代末まで肥料としてパリから運ばれてきたプラスチックなどを含むゴミ(boues d'ordures)が土壌に常に残っていることに敏感かどうかだ。例えば素晴らしいBanyuls地方は、環境問題が原因で登録されなかった。

それまでの間、全うな品質のシャンパーニュの生産者を応援することが私達の義務だろう。Jacques& Andre Beaufort や Pierre Larmandierは、ブドウ栽培・ワイン生産の方法を提示し、加えて匹敵するものの無い喜びを飲み手に与えてくれる。(D.F.)

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