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  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (4/5 2007)
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今日の格言・名言

“... La terre souffre, et ce n’est pas de pansements qu’elle a besoin, mais d’amour.”
Claude Bourguignon (le sol, la terre et les champs)

「土壌は苦しんでいる、そして土壌が必要なのは治療ではなく、愛だ」
クロード・ブルギニョン(土、土壌、そして畑)

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農業、ブドウ栽培・ワイン醸造の世界は、急激な変化の中にあり、温暖化などの外的要因が影響を与えています。
フランスのディジョンで行われたシンポジウムでは、気候温暖化はブドウ栽培の方法に根本的な変化を引き起こすと
発表しています。これは人類活動の結果です。農業における他の影響としては、化学薬品の利用です。研究は多方面に
渡っており、例えばMSAは、人類への危険を調べています。(D.F)
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La vigne vers une mutation profonde en raison de l'evolution du climat
気候変動によるブドウの重大な変化

ディジョンのブルゴーニュ大学で3月28日から30日にかけて行われたシンポジウム
「地球温暖化:ブドウ栽培・ワイン醸造への影響は?」によれば、気象条件に大きく左右されるブドウは、
地球温暖化によりまさに急激な変化(特に地理上で)にさらされようとしている。

温度だけでなく降水量と日照量も重要であり、アヴィニョンのl'Institut national de recherche agronomique (Inra)
のBernard Seguin氏は「ブドウは気候から大きな影響を受ける」と言う。

収穫の開始日は、そのため気候変動を知る有効な手がかりとなる。「5月から8月の気温が通常より1度の変化があったら、
収穫日では10日の変化がある」、気候と環境科学研究所のValerie Daux氏は説明する。

またミラン大学のl'Institut de geographie humaine のLuca Bonardi氏は「過去の収穫日のデーターを整理して、
外的気候の要素によって及ぼされた影響を考慮すれば、10年ごとと100年ごとの気候の変化を明らかに
することができる」と強調する。

また、l'Institut de Franceのメンバーでディジョンのシンポジウムにも参加したEmmanuel Le Roy Ladurieの
研究のおかげで、「この収穫日の方法は、フランスの過去6世紀にわたる気候について十分信用おける復元を可能にした」。
20世紀だけの研究では、気候温暖化の証拠は確実だ。「1945年ごろ、Chateauneuf-du-Pape (Vaucluse)の収穫日は
10月初めに行われた。現在は、9月の初めだ」Bernard Seguinは指摘する。

加えて、地上の進行している温暖化の科学的な見解では、ブドウ畑の位置に大きな影響を与えるはずである。
「ヨーロッパでは、1946年における栽培の北限は、パリからベルリンを経てブルターニュからウクライナに
かけてだった。現在から2100年にかけては、スカンジナビアまで押し広げられるだろう」とl'Inraは強調する。

2050年には、「南フランスでは8月始めに収穫を目撃することになるだろう。そして、おそらくコート・デュ・ローヌは
アルジェリアワインに似たものとなるだろう」と予想する。その言葉通り、ブドウの種類の地域的な進化も重要になるだろう。
全てのぶどう種には、印のように、それぞれの気候があると南オレゴン大学のGregory Jones氏は言う
:Pinot Grisには、フェノロジーの期間(発芽から成熟にかけての期間)の平均温度は13から15度、
SyrahやNebbioloには18から22度、であるように。

したがって、現在のヨーロッパではSyrahは南フランスだけに見られる。しかし、2100年には、Champagneでも
シラーを栽培することが可能であるだろうとBernard Seguin氏は言う。
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Troubles lies a l'usage de pesticides en agriculture
農業における殺虫剤の使用に関する混乱

Mutualite sociale agricole (MSA)が金曜日に発表した最終結果によれば、皮膚病、肝機能障害、
神経病は、農業における殺虫剤の使用に関連した中毒の主要なものである。MSAは、フランスの3つの
健康保険基金の一つ。MSAは農業と農村の400万人以上の人々を保護している。

2004年1月から2005年6月にかけて、MSAは身体的特徴を知らせる319の情報を受け取った。化学製品の
使用に関連した農業における被害症状の証言を収集するために"Phyt'Attitude"と名付けられたフリーダイヤル
を2004年に開始して以来、情報量は増加している。電話番号は、製品の包装に記載されている。

電話をしてきた人の割合では、皮膚病は24%、肝機能障害は20%、神経並びに筋肉に関する障害が19%を占める。
ほぼ半数は薬の摂取が必要で、22%は通院が必要である。大部分の人は、殺虫剤(35%)、除黴剤(27%)、
除草剤(27%)に関係している。

MSAは、7%の人々は“受動的”な理由によるものであると強調している。その7%の人々の内80%は、
化学薬品をまいた後の耕地への干渉によるものであり、20%は化学薬品をまいている場所に
近い場所にいることによる、という。

殺虫剤の使用に関連した強烈な中毒に関する情報収集に加え、MSAはまた、“長期間”の病気に関する
複数の研究にも関与している。また同様に、2月に始まった農業界におけるパーキンソン病についての
研究に参加している。1998年から1999年にかけて行われた前回の研究によれば、パーキンソン病を患う危険性は、
農業界では1.9倍、そして殺虫剤に長く関わってきた人々は1.8倍の危険性があるという。

2005年に始まった、癌と農業活動の関連性を調べるAgrican(農業と癌)の研究では、MSAは
加入者570,000人に質問を送った。現在120,000の返答があり、150,000まで達するはず。
結果は、2009-2010年にもたらされる。

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