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  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (4/7 2007)
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 Le Vin Nature は自然派ワインやワイン業界の動向をニュースレターとして配信しています。
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Le Classement de Saint-Emilion suspendu
Saint-Emilion格付け保留

金曜日(メドックのcrus bourgeoisの格付け破棄から1ヵ月後)、名高いSaint-Emilionの
格付けの暫定的な延期は、伝統的なプリムールの開始日にボルドーのブドウ栽培・ワイン
醸造者を動揺させた。

2006年格付けは、一時的にボルドー地区の裁判所によって保留された。選考過程の合法性に
重大な疑いがあり、候補者間に差別の可能性があるからだという。

ボルドーの赤ワインで現在行われている5つの格付けでは、そのうちの一つ、メドックの
crus bourgeoisが2月27日に審査員の不公平性という理由で破棄され、もう一つ、Saint-Emilionの
格付けgrands crusも同じように保留となった。ボルドー地区の裁判所は核心では決定を待ちつつも、
格下げされた4つのワイン生産者の要求により緊急に決断を下した。格付けを担う委員会は、
候補中95のワイン生産者だけを訪れたことで、審査に差別があったと思われていた。加えて、
裁判官は訴訟中のこの格付けによって引き起こされた商業的な損害により、この決定を正当化した。
1954年に作られたSaint-Emilionグランクリュの格付けは、2006年に61のワイン生産者
(15のPremiers grands crus classesと46のGrands crus classes)を選択した。この格付けは
10年に一度見直しされる。

現在、メドックのようにSaint-Emilionは法的には無法地帯に陥っている。なぜなら、前回の
1996年格付けは2005年産まで有効だからだ。「今回の新しい格付けは保留されているから使う
ことは出来ない。前回の格付けも駄目、もう無効となっているから」ボルドーの法律学教授で
あるEric Agostiniはこう状況をまとめる。INAOのボルドー支部の代表で、Saint-Emilionの
格付けの訴訟手続きを管理するJacques Gautierは「もはや格付けは存在しない」と確認する。

INAOは、上訴の可能性を検討している。「私達は質問で一杯であり、すこし悲惨な状態だ」、
Saint-Emilionのブドウ栽培・ワイン生産者労働組合の代表であるNadine Couraudもまた認める。
「審議、委員会、招集などをとっても、このSaint-Emilionの格付けほど真剣なものはボルドーに
は無い。INAOにより10年ごとに見直されている。この格付けがもはや存在しないというのであれば、
もはや一つの格付けも存在しない」と彼女は断言する。ボルドー仲介業者団体代表のFrancois
Levequeは「私達の足に銃弾を撃った(注:すいません、訳し方が分かりません)(本文:On nous
tire une balle dans le pied)」と毒づく。「格付けは、消費者にとって重要な目印だ。
ボルドーの大量のワインの中で、簡略化という意味をもたらす差別化を消費者に用意している。
消費者は、安心感を評価している。これがこの格付けの力が行ってきたことだ」と彼は断言する。

プリムール週間は、「意気消沈した週」となるのだろうか?

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