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  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (4/12 2007)
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前々回のニュースレターでも報告したとおり、St.Emilion2006年の

格付けは保留となり1996年の格付けに戻りました。

よって、弊社でロゼを扱っているChateau PavieMacquin

Grand Cru Classeに戻ってしまいました。

しかし、2006年St.Emilionのプリムールで好評価を受けたのは、

そのPavieMacquinでした。格付けとは、なんでしょうか??(D.F

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Copeaux ou barrique :
une méthode de détection en cours de validation
おがくずか樽か探知策を検査中

 

スイスChanginsの大学で、樽で熟成したワインとおがくずを使って

作られたワインの違いを見つける分析方法が研究されている。

方法は、樽を燃やしたかおがくずを燃やしたかに由来する刺激臭・

燃焼臭(empyreumatiques)化合物の含有量を調べることに基づいている。

オークを燃やすと、おがくずにしろ樽にしろ、empyreumatiquesという

刺激臭・燃焼臭化合物を発生するが、その成分はおがくずか樽で異なる。

新世界のワインを含む異なるワインで、燃焼により生じた約20

分子が確認され、分析された。結果の統計的な分析は、異なる化合物の

含有量により、はっきりと2つの大きなカテゴリーを明らかにした:樽で

熟成されたワインとおがくずを使用したワインだ。この方法は科学的に

確実であり、もうまもなく発表される。この方法は、複数の産地の異なる

種類が起源の樹やおがくず、異なるブドウタイプの白、赤ワインで作用した。

法律上の論争で使用する前には、まだこの方法は妥当性を確かめ

なければならない。また同様に、適用分野を広げるために、データを

増やさなければならない。目的はおがくずを追放するためではなく、

単純に訴訟の際に問題を解決できる技術を開発することだ。これは、

消費者をだます危険を防ぐための、検査策というより抑止策だ。

 

Le Vin Nature Sélectionのワインは現実的にはこれを気にする

必要は感じないし、“おがくず探知機”を使う必要もないだろう。

私達のブドウ栽培・ワイン醸造者は、樽の助けを使う必要があると

感じたときにだけ、(新樽は大変稀だが)樽を愛する。近々、友達の

ブドウ栽培・ワイン醸造者による良い樽の使い方に関する文章を紹介します。(D.F.
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Disparition massive des abeilles aux Etats-Unis
大規模なミツバチの消滅(アメリカ)

 

ここ数ヶ月で起きたミツバチの消滅のあとで、アメリカの養蜂家の心配は

増している。ミツバチの消滅はカリフォルニアで3060%、周辺やテキサス州で

70%を超えている。Département américain de l'Agriculture (USDA)の推測に

よると、アメリカ24州ならびにカナダの2つの州が影響を受けたという。

USDAによると、現在2,400,000万のミツバチの巣箱がある。これは、

80年頭から25%の減少だが、一方で、養蜂家の数は同時期で2分の一になった。

この最新のミツバチの巣の消滅の大規模なうねりの広がりは、

過去に例の無いものだ。農園用のミツバチは、90種類以上の果物や野菜

(りんご、アボカド、ビルベリー、さくらんぼ)の受粉に欠かせないものであり、

予想される収穫量は1年間で150億ドル、そのうち60億ドルは

カリフォルニア一州からである。

 

この新しいミツバチの大規模な減少は、通常見られる寄生体の体内侵入に

よるものとは異なる独自の現象であるとして、英語でCCD(colony collapse disorder)

名付けられた。女王蜂(一つの巣箱に1匹、繁殖を担う)は、

十分な栄養物の蓄えのもと、一握りの若い雄のミツバチと一緒に発見される。

巣の中やその周辺でミツバチの死骸が見つかることは決してない。

他のミツバチや寄生虫がCCDによって空になった巣に身を落ち着

けるのにも非常に長い時間がかかることから、これらの昆虫が中に

入ることをはばむ化学製品が存在するものと考えられる。CCD

検討する科学者は、ミツバチの免疫システムを弱める化学製品の

出現という仮定を展開している。頻繁に使われている農薬でミツバチへ

の毒性もよく知られているnéonicotinoïdesなどの農薬が、特に疑われている。

フランスでは、殺虫剤Gauchoによる90年代のミツバチの急激な減少が知られており、

Gauchoの使用は禁止された。

ミツバチの働きは直接的にはワインには関係無いですが、私は生物全体と

化学薬品使用の結果にとても関心があります。ミツバチのいない世界は、

人間にとって現実的には想像できません。ミツバチがいなければ、

生命はありません。美味しい彼らの蜂蜜というだけでなく、

受粉作業のおかげによるものです。ミツバチの仕事は食品の

世界生産の4分の1を決定します。日本の状況はどうでしょうか?

D.F.  APF/LVN

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アメリカの小説家カートヴォネガット(Kurt Vonnegut )氏が

4月11日に亡くなりました

彼の最後の小説"A Man Without a Country"を締める詩の最後の

1文を氏へのオマージュとして掲載します。(D.F

"When the last living thing
has died on account of us,
how poetical it would be
if Earth could say,
in a voice floating up
perhaps
from the floor
of the Grand Canyon,
"It is done"
People did not like it here."

「最後の生命体が私達のために死んだとき、

もし地球が、たぶんグランドキャニオンのそこからでも、

震える声でこう言ったら、

なんと詩的なことだろう、

“これで終了、人間はここが好きじゃなかったんだ”」

 

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