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良い天体は良いワインを作る:
“ビオディナミック”はテロワールを魅了する
4,000生産者以上が集い、最新ヴィンテージの試飲会、売買が行われる
ボルドーのプリムール週間で初めて、ビオディナミ栽培を採用している
約30生産者が彼らの最新ワインを発表した。この種のワインの需要は
成長している。特に、環境問題に関連して。有機野菜の棚が
スーパーマーケット増大しているのと同様に、ビオワインもこの傾向
を追随している。昨年フランスでは、有機製品の市場は10%拡大した。
ビオとビオディナミは、二者択一的な耕作方法であるのだが。
“ビオディナミ”(天体のエナジーを使う“有機”栽培)はテロワールを
表現し、そしてテロワールを守る手段としてとらえるブドウ栽培・ワイン
醸造家を、“ビオディナミ”は魅了する。ボルドーのプリムール週間の時、
ビオディナミ栽培を実行している約40のブドウ栽培・ワイン醸造者が集まる
Biodyvin協会は、初めて正式な試飲会を開催した。Biodyvinはしたがって、
Saint-Emilionで2日間に、単純に興味本位の人たちから真剣な知識人まで
約500人を集めた。フランス全土を代表する32生産者の2006年のワインの
試飲を行った。大衆(特に専門家)の評価は、エコロジーの意識を背景にして、
前向きなものだった。しかし、消費者を魅了したのは、特にそのビオディナミワインの
“質”だ:消費者は、「テロワールを良く表現」と「個性の弱い」ワインに敏感である。
長く一般には知られていなかったが、このビオディナミ栽培方法は、徐々に姿を見せ始め、
今や有機農法が力を持ち始めるにつれ、一種の流行にさえなっている。
全ての化学製品の使用を排除する一方、ビオディナミは「土壌が再生するのを助ける」
ために、天体のカレンダーを尊重して、「エネルギーを与える原則」を利用する。
これは、ミネラル物質の力により土壌の「豊かな生命力」を促進することで、
栽培者によってとても変調していた土壌のバランスを復元することである。
そして、ブドウの木々にエネルギーが伝達されるに違いない、としている。
月と星座の周回に合わせて、同毒療法(ホメオパシー)程度の分量で
耕作地に散布される“植物を煎じた”調合薬や、もしくは土壌に埋められる
牛糞を詰めた“雌牛の角”が、“養分をもっと供給するようになるために”
土壌を活発化させるはずである。ブドウの木々自身でエネルギーを摂取する
耕作地の土壌は、テロワールを表現したワインを生産することができるに違いない。
加えて、これはもっとも規則正しい生産を可能にし、天候の不確実性への
依存を減らす。この耕作方法は、これからの将来、化学薬品が限界を見せる中で、
力強く発展するはずだ。この進路は、“個性的なワイン”や“世界的画一化
に対する代替”を生産することで、フランスのテロワールにとっては、
生き抜くチャンスを表している。ビオディナミの生産者は、今日フランス
では少数派に留まっている。2つあるグループに所属している生産者としては、
Biodyvinに42生産者、Demeterに約100生産者であり、ボルドーでは
20生産者がビオディナミ栽培を行っている。
長い経験から、私は結果に確信しています。伝統農法でも感覚や印象的には
素晴らしいワインを作ることができますが、ビオディナミはより健康なブドウの
生産を可能にし、そこから並外れたワインを作ることが出来ると確信しています。
素晴らしいワインの将来はテロワールにあります:個々のブドウ畑の区画に
おける気候と土壌に関連する個性的な環境へ、ビオディナミは土壌の均衡を
もたらします。土壌の活力は、豊かで熟したブドウを生産する一つの条件です。
最も尊敬されているブドウ栽培者・ワイン醸造家がビオディナミを採用している
ことは絶対に偶然ではありません。事実は、ビオディナミという“代替の”
農法は、“一般の”農法の枠組みに移っていくことでしょう。環境と私たちの
将来の子供達のために、土壌をよい状態に保っていくことは私達の世代の責任です。
(L.V.N)
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Bordeaux :
après l’ébullition de la semaine des primeurs, le calme revient, la raison
aussi
ボルドー:プリムール週間の熱狂後、静寂がやってくる、その理由も同様に
ボルドーの位置ははっきりしている。この2007年の2学期は緊迫し、激しく、
戦いとなりそうだ。それは、この4月の第1週(プリムール週間である)から
始まった。4月の第1週は、グランクリュの市場を方向付ける出来事となった、
そして必然的に全体の価格に重くのしかった。言い換えればボルドーワインの
90〜95%のボルドーワインにである。2006年にとって、2005年のあとに
やってきたのは間違いだった。2005年はワインにとっては本当に並外れた
年であり、グランクリュの価格は、ヒマラヤの頂上に達している。2006年の
質は、もっと不均質であるが、興味深いワイン、時には素晴らしいワインも
存在する。薄い色調の2006は、畑でのしっかりした仕事を経て素晴らしい
テロワールを表現し、厳しいブドウの選別により、素晴らしいワインを成し得た。
ステファン・ドゥルノンクールの組織"la
grappe"の幾つかのワインは、果実味があり、
このヴィンテージからは例外的なものである。2006年は3種類の取り
組み方がある:抽出、希釈、果実味。この最後の果実味が私達の人気を得ている。
口内と後味が、このヴィンテージの決定要因だ。右岸のある種のワインは、
2005年よりも濃密さがあるだろう。しかし、素晴らしいワインかもしくは
良いワインかは、市場を統制する経済的背景による。従って、経済的基準が
第一に最初の計画になるだろう。フランスの素晴らしいワインに不都合に働く
ユーロ価格の変化については再び話すことになるだろう。
ボルドーの上級ワインにとって危険な期間が始まる。一方で、コストパフォーマンスの
良い中級ワインは、輸入市場で非常に需要が高いように見える。他にとっては、
つまり大半のボルドーの生産品にとって、諦観は最悪の態度となるだろう。
11月以来、フランスと海外のワイン商人達は、生産者に2005年に比べて
40%値段を下げるように要求している。6月と7月は全ての人たちが2005年に
引き続き“素晴らしい年”になると考えてい。しかし、それは損なわれた。
非常に暑かった7月の後、涼しく湿気の多かった8月が続き、そして9月の熱波の
問題を引き起こした。2005年は“自然”がワインを作ったヴィンテージであるのと
反対に、2006年はブドウ畑から醸造に至るまでの人間の介入が決定要因となった
ヴィンテージである。“ブドウ栽培・ワイン醸造家”のヴィンテージであり、
伝統的なボルドーのスタイルの中に幾つかの素晴らしいワインがある。
右岸(Pomerol, St Emilion, Fronsac と
Castillon)は、カベルネよりも早く熟す
メルローのおかげで左岸よりも良い結果となっている。
価格について:5月かそれよりも前にならないと分からないが、生産者にとっては
2004年の価格辺りに落ち着くことは不可欠である(円とドルに対してユーロは既に
15から20%高くなっているが)。2005年の在庫をまだ持っている購入者は、
購入にはおそらくゆっくりとした ペースとなるだろう。しかし、たくさんの
ボルドーの生産者は、売らなければならないプレシャーは感じていない。ボルドーでは
在庫は少なく、酒蔵にスペースはあり、多くが経済的には2005年の恩恵を受けている。
おそらく、これがなぜ価格が十分に下がらないのかを説明している。メドックの
グランクリュクラッセ(Grands Crus Classés)にとっては、高い価格を維持する
ことに問題は無い。なぜならこの贅沢な製品への需要は、供給を上回るからだ。
しかしながら、高い価格が、あまりにも高いボルドーという印象をより強化する事は
残念だ。これは、質が高く価格の安いワインの販売を妨げる。
しかし、これら全ての話は、私達の現実の懸念と最高の質・価格・喜びをあなた方に
与える目的とはかけ離れています。ビオ、もしくはビオディナミ、そしてもちろん
自然なワインの質、それが私達の望むものです!手ごろな良いボルドーワインをが
届くのを待っている間、Pavie-Macquinのロゼはまだ少し残っています。
(L.V.N)
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