━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (2/18 2008)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[環境]
“地球温暖化は世界のワイン地図を破壊する”
早期の収穫、どぎつく、香りの乏しいワイン:
「気候変動は、地球上のワイン地図を破壊する」とスペイン北部バルセロナに、
先週金曜日に集った専門家は説明した。スペインやフランス、オーストリア、アメリカ、
ニュージーランド、オーストラリアなど36カ国から350人以上の専門家が2日間の会議に出席した。


2度目となるこの地球温暖化とワインに関する国際会議の開会式で、
フランスのBerard Seguin氏(フランス農業機関の気候に関わる研究の責任者)は
「地球温暖化の結果は既に明らかになっている。収穫は、世界のほぼすべての地域で、
既に10日以上早まっている」と注意を促した。


また彼は、「ワインとブドウ畑の分布図は、私たちが地球温暖化に立ち向かう姿勢に
よって変化するだろう」と言う。「もし温度が2から3度の上昇なら、今のボルドーはボルドー、
リオハはリオハ、ブルゴーニュはブルゴーニュといったワインを作ることができるだろう。
しかし5から6度上がれば、大きな問題に直面することになり、変化は厳しいものになるだろう」と
予想する。



ワインは実際にゆっくりと成熟しなければならないと専門家達は口を揃える。温度上昇により
ブドウの熟成が早められ、さらに雨の不足を伴うと、ブドウは傷つけられ、その結果ワインを
傷つけることになる。



結論:よりどぎつく、高アルコール、芳香さを欠く酸の低いワインとなる。また、アルコール度数に
応じて税金を算出する国では、価格の上昇をもたらすことになるだろう。

(ソース:AFP 2/15)

−−−−−−−−−−−−−−−−−
[環境]
気候変動:ボルドーは既にピークを過ぎた?

オーストラリアのワイン醸造専門家であるDr Richard Smart氏は、地球温暖化が世界の
ワイン地図を塗り替えるにつれて、ボルドーなどの素晴らしいワイン生産地は存続し続ける
ことは無いだろうと語った・・・。


バルセロナでの地球温暖化とワインに関する国際会議において、Dr Smart氏は、生産者は
ブドウ品種を再考するだけでなく、ブドウ栽培地も同様に再考することが望ましいと言う。


「私は、皆さんにお聞きしたいことがあります。ボルドーでは、既にカヴェルネソーヴィニョンの
最良のビンテージを目撃してしまったという事実について考えたことがありますか?」と問いかけた。
そして、彼自身は、彼に続くスピーカーであるMichel Rolland氏が、未来において、
“ポスト−クラシック”ワインを生産する可能性の高い地域でワインを作ることを期待していると
付け加えた。


Dr Smart氏は、気候変動に関する政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)や
INRA(フランス農業研究機関)の情報を用いながら、1度の温度変化でさえ、とても大きな天候の変化が
生じる明白な証拠があると語った。


これは、多くのワイン生産地では、現在のブドウ品種が不適になるだろうということを暗示している。


チリやアルゼンチン、タスマニア、ニュージーランド、また北欧や中国の幾つかの地域は“幸運”で
あるとDr Smart氏は提案する。なぜなら、ブドウを植えるために、より冷涼かより高地に移動できるからだ。


しかしながら、ボルドーやブルゴーニュは、このような戦略は不可能であるだろう。「もし、
お金に少しでも余裕があるなら、どこで安く土地が手に入るか考えるが良いかもしれない」


彼は、また解決策として遺伝子組み換え踏み切るアイデアに警鐘を鳴らした。「研究機関は、
シャルドネにサボテンの遺伝子を組み込むことに大変な労力を無駄にしてきた。30年後、彼らは
シャルドネがより高温に適合することを期待している。しかし私の意見では、彼らはシャルドネの
香りがするテキーラを生産するだけだろう」

(ソース:Decanter.com より 2/15)
−−−−−−−−−−−−−−−−− なお、昨年の会議のニュースは
フランスのディジョンで地球温暖化に関するシンポジウム(2007年 3月5日)
−−−−−−−−−−−−−−−−−